生姜ブームが本格化している。女優や女性タレントが生姜好きを公言し、健康だけでなく美容に効果がある生薬として人気を集めている。その生姜の最高級品に「金時生姜」という品種があるのをご存知だろうか。
金時生姜は一般にはほとんど流通しない希少品種だ。一般の生姜と比べてかなり小さく、香りと辛味が強く、色は鮮やかな赤色を帯びている。現在、国内でも専業でこの金時生姜を生産している農家は数軒しかない。そのほとんどは愛知県にあり、中でも矢生姜(葉つき生姜)の生産で名を馳せているのが木村農園だ。
木村憲政社長は先代から受け継いだこの「金時生姜」を守り続けている農家だ。かつては海外に輸出するほど生産されていた金時生姜だが、中国から大量に輸入されてきた大生姜に押され生産量が激減した。粒の小さいこの品種は生産効率の低い作物なのだ。しかし、木村社長は栄養価が高く、独特な風味を持つ金時生姜の可能性を信じ今日まで生産を続けてきた。その努力の甲斐あって、昨今では本物志向の消費者からの注文がたくさん舞い込むようになってきた。
「卸だけでは先細りになると思い6年前からネット通販で直販にも力を入れていました。そしてさらに裾野を広げたいと考え、これまでの矢生姜や根生姜だけでなく生姜ジャムを開発したのです。」
5月に東京のデパートで開催された愛知物産展で初披露された「金時生姜ジャム」は、初めは違和感を持っていた人も試食をするとその芳醇な風味と後味に感じる辛味が癖になると大好評だったという。
最高品種の金時生姜を贅沢に使った「金時生姜ジャム」は昨今のブームに乗ってブレイク間違いなしだ。
「金時生姜ジャム」
国産金時生姜を皮ごと使って作ったジャム。砂糖はやさしい味わいのビートグラニュー糖を使用。無添加・無着色。生姜湯やジンジャーティー、ヨーグルトのトッピングとしても楽しめる。
「矢生姜(はじかみ)梅酢漬け」
金時生姜の葉つき生姜の梅酢漬け。添加物一切なしの天然の
赤い色。
ビジネスチャンス誌2010年8月号に掲載されました